公益社団法人日本獣医学会 The Japanese Society of Veterinary Science

公益社団法人日本獣医学会 倫理綱領


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2013年3月29日総会承認

(前文)

公益社団法人日本獣医学会(以下「日本獣医学会」という。)は、獣医学に関する関する真理の探究と技術の研鑽・革新に絶えず挑み、新しい価値を創造することによって、動物および人類の健康と福祉、地球環境の保全などの分野で社会に貢献することを使命とする。
日本獣医学会会員(以下「会員」という。)は上記の目的を達成するため、以下に定める倫理綱領を遵守する。

(綱領)

  1. 獣医学の社会的責任
    会員は、獣医学が、動物と人の保健衛生の向上、食の安全・安心の確保、人と動物との絆の構築、動物の福祉・愛護の促進、自然環境の保全などを推進するための学問であること、また社会の信頼と負託の上に成り立っていることを認識し、社会が真に必要とする獣医学の研究、教育・啓発、獣医療の実践に努める。また、会員は動物と人の生命を尊重しその健康と福祉の増進に貢献するとともに、環境の保全を推進する。
  2. 会員の研鑽と向上
    会員は、獣医学に関連する能力と人格の向上に継続的に努める。また、豊かな持続的社会の実現のため自らの専門知識を最大限に活用して、獣医学の社会的信頼を向上させることに努める。
  3. 対象動物への態度
    会員が動物を対象とした教育、研究および診療に従事する際には、常にその生命を尊重し、苦痛への配慮、福祉・愛護、生態系への影響などを考慮しながら、対象動物を真摯な態度で扱う。
  4. 法令等の遵守
    会員は、獣医学に関する活動に際して、社会規範、法令および関係規則を遵守する。
  5. 機密保持
    会員は、日本獣医学会の活動上知りえた情報の機密保持の義務を負う。
  6. 情報の公開
    会員は、得られた知的成果の公開に努め、人々の啓発に貢献する。また、会員の獣医学に関する活動において、動物、公衆衛生、または環境などに対して損失をもたらす場合には、直ちに活動を中止した上で、中立性、客観性を保ち、自己の良心と信念に従って情報を公開する。
  7. 利益相反の回避
    会員は、自らの獣医学に関する活動において、利益相反を生むこと回避し、利益相反がある場合には、説明責任と公明性を重視して、利益相反についての情報をすべて開示する。
  8. 公正な活動
    会員は、獣医学に関する事項の立案、計画、申請、実施、報告などの過程において、真実に基づき、公正かつ誠実に行動する。
    研究・調査データの記録保存や厳正な取扱いを徹底し、ねつ造、改ざん、盗用などの不正をなさず、加担しない。また獣医学に関わる問題に対しては、特定の権威・組織・利益によらない中立的・客観的な立場から討議し、責任をもって結論を導き実行する。
    会員は、不正行為を防止する公正な環境の整備・維持も重要な責務であることを自覚し、活動する環境の向上に積極的に取り組む。
  9. 会員相互の協力と尊重など
    会員は、他の会員と協力して互いの能力の向上に努め、専門活動上の批判には謙虚に耳を傾け、不公正な競争を避けて真摯な態度で接する。他者の知的成果など業績を正当に評価し、知的財産権を尊重する。また、非会員から協力を受ける場合にも、協力者の人権、人格を尊重し、安全、個情情報の保護等に常に配慮する。
  10. 教育
    会員は、自己の専門知識と経験を生かして、将来を担う後進の指導・育成に努める。