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Q:後をついてくるキツネがいます。なぜでしょうか?

 我が家は、一級河川から2~3 km離れた場所にあり、毎日朝晩、犬の散歩に家の近所を40分程歩きます。
最近、一匹のきつねに出くわす事があり、そのキツネがなぜか、私達の後をついてくるのです。移動している時は草むらや畑の中を歩き、私達が立ち止まると道路に現れ、ちょこんとお座りしてこっちを見ています。私達の家は住宅密集地なので、家の少し手前でいなくなります。そんな事が続いています。
うちの犬はもともと野犬で(いわゆる雑種)、仲間と間違えているのでしょうか。きつねとじゃれて遊びたがって、くんくんとないたり、吠えたりしています。
 そこで、質問なのですが、
① どうして私達人間の後をついてくるのでしょうか。
② どうにかして河川敷に返してあげたいが、手立てはあるでしょうか。
③ それとも、2~3 kmは自由自在に行き来できるのでしょうか。
④ 日に日に寒くなってきて、キツネの身体は大丈夫でしょうか。

お答え

① どうして私達人間の後をついてくるのでしょうか。
→キツネの体臭は独特で、 森の中で、その残り香を人間が嗅いでも「ここにキツネがいた」と分かるくらいです。
 そのため、見た目が似ていても、 犬とキツネが出会った時に、お互いを同種の仲間と間違えることはなさそうです。

 ついてくる理由を特定するのはむずかしいですが、 好奇心かもしれませんし、食べ物への期待かもしれません。
 キツネは森林や河川敷だけではなく農地も利用しますが、北海道では市街地に出没する個体が増えています。
 基本的に肉食で、ネズミなどの小動物、鳥や昆虫を食べていますが、市街地では生ごみも重要な餌資源のひとつになっています。
 また、人についてくるということは、過去に人から食べ物をもらったことがある可能性もあります。

② どうにかして河川敷に返してあげたいが、手立てはあるでしょうか。
③ それとも、2~3 kmは自由自在に行き来できるのでしょうか。
④ 日に日に寒くなってきて、キツネの身体は大丈夫でしょうか。

 →野生のキツネが市街地にずっといれば、交通事故や人馴れなどの負の影響が心配されます。
 環境によってキツネの行動圏の大きさは異なりますが、約8平方キロメートルという報告があります。従って、2~3 kmの距離は、 体力的に十分、自力で移動できる距離です。キツネは日本では北海道から九州まで分布する在来種です。人間から見ると寒いように思えても、日本の環境に適応していますので、大丈夫です。 また、河川敷に連れて返しても、餌資源などの魅力がそのままであれば、また自分で人の生活圏に戻ってくると思います。

 散歩中にキツネをみかけても、 自分で河川敷に帰るようにそっとしておいてください。

三谷奈保
日本大学 生物資源科学部 生物環境工学科
(2019.12.23 掲載)

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