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Q:コウモリの感染症について

 初めまして。突然のご連絡大変失礼致します。
 野生のコウモリが(アブラコウモリ)持つ寄生虫や感染症について質問です。
 現在ネット上では野生のコウモリが媒介する感染症に狂犬病やアルボウィルス、ヒトプラズマ症がある他、コウモリの糞にはノミダニ、カビ菌が含まれるため非常に危険であるとの意見が散見されます。
 例えば、家庭内で犬や猫を飼育している人間が野生のコウモリを何らかの理由で保護・一時管理をした場合はどう言ったリスクが懸念されるのでしょうか?
 実際に政府はコウモリが媒介するとしている狂犬病などの病原菌は現在の日本においてほぼ撲滅したとの発表を見て、インターネットで言われているほど高いリスクの感染症キャリアになっているコウモリはほとんど居ないのではないでしょうか?
 ぜひお答えいただければ幸いです。

お答え

 コウモリが関係する感染症には、狂犬病、SARS、ニパウイルス感染症、ヘンドラウイルス感染症、ヒストプラズマ症などが知られています。近年、わが国のコウモリにおいても病原性は不明ながら様々なウイルスが検出されていますが、これらのウイルスがコウモリからヒトに感染した事例はありません。
 しかしながら、国内のコウモリにおいては、各種病原体が存在しないのではなく、未だコウモリにおける病原体の保有状況とその病原性のほとんどが不明であり、感染リスクの評価はできません。また、コウモリにはノミやダニ、トコジラミなどのヒトや動物を吸血する寄生虫が寄生しており、それらの寄生虫がヒトや犬、猫に寄生する可能性があります。実際に、コウモリに寄生しているコウモリマルヒメダニがヒトに寄生していたとの報告や人家からコウモリマルヒメダニが採取されたとの報告があります。これらのことから、コウモリを触る、家庭内に入れるなどの行為は避けることをお勧めします。

日本大学 獣医公衆衛生学研究室
鍋島 圭
(2019.12.20 掲載)

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