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Q:北へ渡らず残っている白鳥が心配です

私は茨城県の県南に住んでいる者ですが、白鳥がいまだに北へ帰らずに残っていて心配でおります。
春頃から沼につがいで2羽いたのですが、最近はオスだけが残っています。
このつがいは子育て中に頭を何かで殴られて血を流していて、さらにオスについては足も1ヶ月ほど引きずっていたので、残っている原因はどこか怪我をして治っていないのではないかと思われます。

このような場合、何か当方にできることはありますか?
猛暑のなかでも冬まで茨城の県南地区で生きていけるのかとても気がかりです。

 

お答え

日本でみられるハクチョウ類にはオオハクチョウとコハクチョウが知られており,どちらも日本で越冬します。
ハクチョウを含むカモ科鳥類の生態研究が専門の某先生にうかがったところ,外的にも内的にも健全な個体はほぼ間違いなく北帰するそうで,残留する場合は質問者さんのメールにもあるように、羽の外傷などの怪我によるものが多いようです。

伊豆沼では送電線などにぶつかって羽を痛めて飛べなくなる場合が多いようで,宮城県では、怪我をした傷病鳥が発見された場合、県の担当者が捕獲して獣医の診断を受け、適切な処置がされたのち、伊豆沼などに放鳥されるそうです。飛べない場合は沼で一生を過ごすことになります。日本の猛暑は気になるところですが、ロシアの繁殖地でも一時的には30度近くまで上がりますし、暑さに対する耐性はあるようです。また伊豆沼ではあまり暑いときにはヨシの陰で休んでおり,それなりの対応策は持っているようです。

怪我が治っていないようでしたら,県の鳥獣保護担当者に連絡して,まずは怪我の手当てを優先することが最適なのではないかと思います。来春には仲間たちと北帰行できるといいですね。

岩手大学農学部 共生環境課程 保全生物学研究室
東 淳樹

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