■お答え
ご質問を頂きありがとうございます。獣医学領域においても、再生医療の研究は多くの施設で行われるようになってきています。また、医学部や歯学部、そして製薬会社などにおいても、再生医療の研究に従事している獣医師が増えてきています。このように、獣医学は多方面でヒト医学と連携していますので、様々な研究者や企業からヒト医療に関する情報を聞くことは可能です。現在、再生医療の分野に興味を持たれているようであれば、獣医師という立場から再生医療の研究に従事できる環境は少なくないと思います。 また、最近では、「One Health」が提言され、動物とヒトの医療の連携が深まっています。さらに、「トランスレーショナルメディシン」という概念も提唱され、動物実験とヒト臨床の架け橋として、獣医療が注目されています。獣医療では、自然発症の動物を治療するため、疾患モデル動物から得られない多くの現実的な情報を得ることができます。そのため、新規薬剤の開発のみでなく、再生医療のような新規治療の開発にも、獣医療の位置付けが重要視されつつあります。このように、獣医療とヒト医療を両輪とした新製剤および新規治療法の開発が行われ始めていますので、是非とも獣医学科に入学し活躍の場を見つけて頂ければと思います。
日本大学 生物資源科学部 獣医学科 獣医外科学研究室 枝村一弥
(2020.2.19 掲載) |