■お答え
1. 野生動物の救護をする臨床医、というものは、どんな仕事に就けばできるものなのでしょうか?
日本では、名称は多少異なりますが、いくつかの都道府県で鳥獣保護施設を有しています。例えば、神奈川県、福島県、茨城県、愛知県、和歌山県、岐阜県などにあります。そこで救護に携わる獣医師は県の職員であったり、民間の獣医師であったりさまざまな形を取っています。また、国(環境省)の機関や動物園でも救護施設を有しているところもあります。さらには、都道府県が救護業務を開業獣医師(ふだんはイヌネコの獣医さん)に委託しているとこもありますので、さまざまな職の就き方があります。大学に入って卒業する時には具体的にどのような形で職に就けるか情報を得られると思います。まずは獣医学を学べる大学に入学することを目指して頑張ってください。
2. 野生動物に力を入れている日本の国公立大学はありますか?
獣医学部(科)に野生動物関係の研究室や施設を有している国公立大学は、北海道大学、東京農工大学、岐阜大学の3つです。他に私立大学として、酪農学園大学、日本獣医生命科学大学、日本大学(ただし獣医学科ではない)にも野生動物関係の研究室や施設があります。すべて各大学のホームページに掲載されていますので一度覗いてみてください。
3. 獣医になるに当たり、大学院に進むべきですか?
個人の目標によって違ってくると思います。例えば野生動物関係であれば、先に書いた野生動物の救護関係の仕事に就きたいのなら必ずしも大学院に進んで獣医学博士を取得する必要はないでしょうし、逆に野生動物関係の研究者になりたいのであれば博士の学位取得は必須となります。いずれにせよ大学院では専門家養成のための高度専門教育を受けることになりますので、どんな職に就くにせよその道を深く追究したい人は大学院への進学をお勧めします。
坪田敏男(北海道大学) |