獣医師の活動分野は小動物診療のほか、産業動物診療、公衆衛生、獣医学教育・研究など様々な分野があり、それぞれの領域で女性獣医師も活躍されています。近年、獣医系大学の卒業者の男女比はおよそ1:1で、約半数が女性です。
適切な獣医療を提供するためには、性別の区別なく獣医師の確保が必要ですので、今後増えると予想される女性獣医師のいっそうの活躍が期待されています。そのため、公務員や民間企業などですでに整備されている産休・育児休暇制度のほか、出産等で一時的に休職する場合や育児期間中の人的支援のための制度など、女性獣医師が働きやすい環境の整備も計画・実行されています。
小動物診療などに従事される女性獣医師の中には、出産後復職される際にパートタイム勤務を選択されるかたもいらっしゃいます。出産、育児など自身の生活サイクルに合わせて勤務形態を変えて仕事に就くことは、職場の方々の理解があれば、さほど特別なことではないようです。
日本獣医学会では男女共同参画学協会連絡会に加盟し、科学技術の分野において、女性と男性がともに個性と能力を発揮できる環境づくりとネットワーク作りに取り組んでいます。
吉岡 耕治(動物衛生研究所)