皆 様

その後も引き続きご意見を頂きましたが、私が海外に行っていましたためにお送りするのが遅くなりました。次回世話人会で取り上げるべきご意見が多く、感謝しています。

2003/12/8 唐木


12/8 私は消費者の立場でシンポジウムに参加させていただいた者ですが、生産者のお話を聞けたことが大変良かったと思っております。行政のお話は行政のウエブで、専門家のお話は本などを読んで、少しは情報を得ることができるのですが、生産者のお話はなかなか聞く機会がありません。「家畜から広がる耐性菌」を立ち読んだ際、真っ黒な豚の写真があって少なからぬ衝撃を受けましたが、その写真についても林様から説明があり、ほっといたしました。


12/02 私は、臨床検査薬、特に微生物試薬の開発企画に携わっておりますので、以前から家畜や環境における耐性菌の問題に関心を持っておりましたので、興味深く拝聴いたしました。耐性菌の問題は、臨床の現場では「なるべく狭スペクトラムの抗生物質を使えばよい」「抗菌物質の乱用をしなければよい」などと言われる向きもありますが、保険点数の現状や臨床の現場からすると、そう簡単な問題ではないのかもしれません。また、耐性の機構もかなり複雑なプロセスがあることも分かっております。
ましてや、家畜の抗菌剤使用となると経済性などの社会的因子が強く関わるので、より簡単ではなくなってくるのだと思います。となりますと、抗菌物質を有効に使い耐性菌をコントロールすることがHACCPの1つとして必要なのではないかと考えています。私が、VREやMRSAの検出スクリーニング試薬に携わっているからかもしれませんが、畜舎における衛生管理として話しにもあったような耐性菌の汚染状況というものはどのくらいなのでしょうか。
 また、そうしたサーベイランスは実施されているのでしょうか?関心のもたれるところです。畜舎の衛生管理にお金がかけられない現実もわかりますし、消毒や殺菌といった形での衛生管理というものは化学物質による新しい汚染を引き起こす事にもなりかねません。環境を正常腸内フローラのような微生物によってコントロールし、定期的に耐性菌をチェックし、病害を受ける場合に抗生剤を用いる場合はサイクリック療法やスパイク療法で治療する。といった形のコントロールはできないものかと考えております。
抗生物質の利用は農業が経済的な活動である以上、安易に中止できないものであり、他方、耐性菌はこれによって発生する事は避けられない事ですが、耐性菌といっても非耐性のものより発病させる力が強力になったというものではないと思います。耐性菌をコントロールできれば、発生するリスクも減らせないでしょうか。抗生物質のプレッシャーがかからなくなれば、耐性菌のプラスミドなども脱落して一定レベル以下に制御できるのではないかと思いました。
 いずれにしても、貴重な意見を聞く機会を頂きありがとうございました。


12/02 産業動物の診療業務を担当している臨床家からのご意見に対して一言申し上げたいと思います。
確かに、小動物でも抗菌薬は広く使われており、しかもその多くは人体薬です。その意味で、産業動物、あるいは医療の現場と同様、適切な使用を今後とも心がけ、またそれを教育して行くことは非常に重要な点です。しかし、この問題は、まだ全く解明されていない問題です。一般には、抗菌薬に対す
る耐性菌は、その薬剤の使用量に比例して増えることが知られています。また、食肉や魚に関してはそれが直接人間の体内に入ることから、WHO でも強く懸念しているところであります。中でも、飼料添加物として使われる抗菌薬は、その量が多いことから強く懸念されているものと思います。
 一方、WHO においても、現在のところ小動物における抗菌薬の使用に関して大きな問題にしていない状況だと理解しています。もちろん産業動物での薬剤使用に関しても、治療に関してはその使用量は決して多くなく、また今後ようやくその使用に伴う周囲環境での耐性菌出現をモニターする状況で、決して証拠はありません。
 今後、一緒に生活する環境で、小動物に抗菌薬を投与すると、その家庭内に耐性菌が多く出現し、それが人の病気に大きな影響を与えることが明らかになれば、おそらく世界的に小動物への抗菌薬投与が規制されることになると思います。しかし、現状では、その可能性は十分にあるものの、逆に人の抗生物質使用で耐性菌が出現し、これが小動物の病気に影響することも同じくらいあります。現に人のMRSA が犬や猫に影響していると考えられる事例もあり、これらは、飼い主、動物のメリットデメリットを考えつつ、冷静に対処すべきものと思います。
 一般に、人、特に医者は、動物を攻撃することが一番手っ取り早い、と考えている節があります。これらは今後証拠が集まれば、必要に応じて改善すべき点があることは認めますが、少なくとも、産業動物獣医師、小動物獣医師がお互いに攻撃しあうことは非常にマイナスだと思われます。お互いに適正使用を考え、また不正な使用がないように努力しあう、という姿勢でいきたいものと思います。


12/02 われわれも会社として、この問題に取り組んでおり、スーパーさんや生協さん、肉の卸(パッカー)さん、生産者と接触を始めているのですが、スーパー、肉の卸さんあたりは、どうもこの部分でビジネスが入ってきてしまいます。
最近の状況は、食の不安-->ビジネスチャンス-->差別化のために無薬化みたいな安易な動きが多い様ですが、一方で、海外の生産拠点では、無薬にしろといっても、牛、豚を1頭丸まる引き取ってくれるわけでない、病気に罹って治療した動物は国内消費に回せなど、かなり日本のバイヤーのエゴといった部分で評判が悪くなっているとも聞きます。片方で、ナチュラルだとか社会への貢献なんていいつつ実際には、かなり強引な取引で、自社の利益を最優先されているこれらの企業さんも、短期的な視野でなく本当にリスク−ベネフィットに基づいて方針決定をしてもらいたいものです。まずはどんなものにもリスクがあるし、リスク−ベネフィットをしっかり理解した上で何が望ましい対応策なのか、きっちりコンセンサスを得ていく、消費者にもこんな考えにたってもらいたいですし、今回の会はそういった意味で大変意義のあるものと思われます。継続してお願いします。


12/02 動物薬品,飼料添加物のサイドから,畜産,食品の分野に関わる者です。 学識経験者などのアカデミックな集まりでの論議から,本テーマに関連,関心を持つ様々な業界,団体,グループにまで論議への参加の機会を広げていただいたことは本当にすばらしいことだと思います。シンポジウムには参加できませんでしたが,「耐性菌問題を考える」開催報告を読ませていただき,貴会及び世話人の方々に敬意を表すと共に,本問題に関しては素人ながら,思うところを以下に記します。脈絡のない羅列ですが,今後の論議の発展に何らかの形で少しでもお役に立てれば幸甚です。
 「耐性菌」の問題について,自らを含めて,まだまだ知識不足,不適切な理解が多く,この問題を包括的に捉え,鳥瞰図的に眺められるような論議を今後も是非とも継続していただきたいと思います。具体的には,

  • 耐性菌がヒトの健康にもたらしている(もたらす可能性,脅威ではなく)実際
    的,現実的な事実は?
       - 院内感染
       - 食中毒
  • 耐性菌選択の起因となる分野とそれぞれの寄与度合いは?
       - ヒト医療での使用
       - ペットでの使用
       - 畜産物生産における使用
       - 農業分野(農薬など)における使用
  • 抗菌剤の処方(使用)に関する日本と諸外国の現在の規制体系の相違点と類似点
     
       - ヒト医療での使用
       - ペットでの使用
       - 畜産物生産における使用
       - 農業分野(農薬など)における使用
  • 畜産物生産における抗菌剤使用に関して,国産品と輸入畜産物との整合性は?
       - 現在
       - 仮に将来日本において規制の枠組み、品目に改変がなされた場合
  • リスクとは?
       - リスク分析とは?
       - リスク評価とは?
       - リスク管理とは?
       - リスクコミュニケーションとは?
  • 「予防の原則」とは?
  • 「食の安全」即ち,食品安全委員会の管轄分野のみならず,その他の政府諮問機関や省庁で取り上げ,検討するべき問題はないのか?あるとすれば何をどの機関で?

問題の本質から大変難解で複雑なテーマであるとは承知していますが,是非とも分りやすく問題点を噛み砕いて,平易な表現,論旨でもって提示,討議していただけたらと痛切に感じます。なにしろ最終的には個人ひとりひとりの健康に関わることなので,うちのかみさんでも「アッ,そうなんだ」と納得できなくては「安心」してもらえないのですから。

12/01 シンポジウムに関する感想です。
「テーマ設定が極端すぎる」「発言趣旨の基礎資料に説得力がない」「畜産生産は経済活動という概念がない」「リスクコミュニケーションという視点にたっていない議論」
私は、畜産農家に畜産情報を発信する担当として、今回のシンポ内容が国内畜産生産に影響があるか否かを知るために参加しました。
学術会議主催のシンポジウム参加は2回目です。前回はBSE発生後のリスクコミュニケーションについて傍聴しました。この時も、会場内で同じ方ばかりが個人的な被害者意識に偏った発言だった印象があります。しかし、パネラーや全体運営がこれに乱されることなく、今後マスコミに対して専門家による発言が期待されるものでした。
今回は、残念ながら会場内の発言が極端すぎて、傍聴に集中できず不満が残りました。そして、畜産経営は経済活動のうえに成り立っているという視点がないがしろにされていたことが残念です。
特に人畜共通の抗生物質の多用が、あたかも緊急課題のような問題提起は納得できません。院内感染の問題と今後どう使用量を減らすかの議論が、科学的な根拠なしに議論することは、非常に危険だと思います。なぜ畜産現場で多用するのかを前提にしない議論は、単に消費者を怯えさせるだけではないでしょうか。また、BSE後の牛肉消費低迷の二の舞です。マスコミの一方的な情報だけを鵜呑みにしたら、日本の畜産物を食べなくなります。
農業は趣味ではなくあくまで経済活動を目的に行われ、疾病対策は農家の最大の課題で、行政、研究者、関係団体、生産農家それぞれが努力することではないでしょうか。
学術会議には是非、マスコミにわかりやすく科学的な情報をもっと解説していただければと思います。
そして、総括されたように「リスク評価」と「リスク管理」が混同されないようあらゆる機会に今回の参加者が義務として発言することを提案します。私も微力ながら正しく情報発信をしていきたいと思います。
このような意見具申が会場内で感情的発言をされた方の耳に冷静な形で伝わることを大いに希望して感想といたします。


12/01 小生は、飼料添加物に登録されているフマル酸の登録作業(約10年前)に従事し、現在も、豚以外の蓄種の拡大の作業をしております。耐性菌および抗菌剤使用抑制の動きの中で、有機酸が抗菌剤の代替えにならないかと作業を繰り返してきました。
作業内容および効能

  1. 鶏 消化系内のサルモネラ菌定着抑制効果(フマル酸添加量1%)
      雛〜5週迄位の期間でフマル酸0.5〜1.0%添加で増体効果が出ていますので04年
    度の農材審にかける準備をしております。(市場からは,早く登録して欲しい要望が
    強い)
  2. 牛 メタンガスの削減効果、産乳量の増加、粗飼料の消化効果
      増体では明確な効果がでていません。

農水省自らも競合排除製品並びに各種資材の飼料添加による鶏体内サルモネラ抑制効果試験、蓄安研における大掛かりな脱抗菌剤としてフマル酸が検討され効果が確認されております。
11/21のシンポでは抗菌剤の代替えとして有機酸(クエン酸)が紹介されておりました。クエン酸は天然物として自由に使えますが、フマル酸は現在豚のみに使えます。
グラム陰性菌に対する殺菌効果でフマル酸は他の有機酸に対して顕著な効果を示します。どうもPHだけではなく、フマル酸はトランス型構造を持ち、他の有機酸のシス型構造の違いではないかと言う説があります。又フマル酸はTCAサイクルの有機酸であり、クエン酸、リンゴ酸、琥珀酸と同じ用に安全な有機酸といえます。
小生は抗菌剤の使用は極力抑制していくべきとの意見をもっておりますが、それに代わる経済的な対応策は、今の所生菌剤と有機酸がありますが、その上に安全な吸着剤(抗菌剤、環境ホルモン物質、悪玉菌を吸着して体外排出を促す)を検討してはと考えております。


実際に産業動物の診療業務を担当している臨床家から一言。
 先日のディスカス、興味深く聞かせていただきました。臨床家が参加するようなシンポではないかなと思いながらも、今注目されてきた耐性菌の話となれば耳に入れておくのも悪くない、の一念で参加したところです。
 さて、我々産業動物臨床獣医師は人が食べる動物を診療し、抗菌剤を繁用していることは事実です。抗菌剤は日常の診療には欠かせないことも事実です。しかし、シンポでもどなたかが述べられたように、多くの仲間は慎重に使用していますし、食品として出回る段階までには然るべき検査等を経ているわけですので、我々が非難を浴びるわけにはいきません。いっぽう、間違った使い方をしている獣医師がいることも残念ながら事実です。これは意図的ではないにせよ、臨床効果の面でも不都合があるわけですので、早急に改める必要があります。科学的な根拠に基づく薬剤の適性使用について、現場に広く普及するように努力するつもりです。
 ここで、ひとつの疑問が持ち上がります。抗菌剤を扱う獣医師は、なにも産業動物だけではありません。そうです、小動物があります。犬猫で2000万頭とも言われる数に加え、それらの居住空間を考えれば、人と接触する機会は牛豚の比ではないはず。ヒトの抗菌剤を転用していることや動物用抗菌剤の使用基準も明確に定められていないはず。むしろ、乱用の話がまことしやかに囁かれています。とすれば、耐性菌の問題を産業動物にだけぶつけるのはいかがなものか?『食の安全』からすれば、牛豚が標的になるのは致し方ないとしても、抗菌剤を使う立場からすれば片手落ちと批判したくなります。
 『耐性菌は食品から』という誤解を解かない限り、議論は中途半端にならざるを得ない、というのが一臨床獣医師の率直な意見です。


今回のシンポジウムにつきましては本当に長い期間のご準備ご苦労様でした。それぞれの先生方の各分野でのきっちりとした発表内容など、政府主導でない、各界の人間が集まって始めたリスクコミュニケーションの最初の公開シンポジウムとしては非常に良いものであったと思います。
リスクコミュニケーションはリスクの情報を発信する側と受ける側が正直に懸念をぶつけ合い、焦点となる事項について両者がリスク・ベネフィットをしっかりと把握して、どこまでのリスクであれば許容できるのか、あるいは不十分な情報の中で限りなく膨らんでしまった懸念と現実のリスクをどこまで狭められるのかみたいな部分で話し合わなくてはならないのでしょうが、今回は不十分な情報をさらにあおるような発言で違う方向に進んでしまいそうになったのは非常に残念でした。一方で、先生の司会にはすばらしいものがあり、多くの視聴者は一部の方々の意見がちょっと的外れだと感じることができたのではないでしょうか。
個人的には予防の原則と言うのは、嫌疑不十分だけれども今対策をとらないと大きな影響があると思われる事項に限定し、しかも、数年、十数年という単位でそのときの科学的知見に基づいて見直しをできるシステムの中で運用すべきと考えています。
確かに、日本で指定されている抗菌性飼料添加物は29品目もあり、諸外国から見ても特筆して多いですし、成長促進目的と言うのは理解が得がたい部分かもしれません。私も獣医師として今の会社に入るまでは、獣医師の権力が及ばないと言う部分もあり、かなり無責任な考え方や発言をしてきました。今言えることは、添加物にもそれなりの役割があり、日本の法規制の基ではある程度必要な部分であることは確かですし、仮にこの部分が抗生物質の適正使用に反すると言うのであれば、動物薬としての使用でもきっちりとControlやMetaphylaxisといった概念を取り入れたものにする必要があると思います。現行の原則1週間以内の投与、発症後の治療的投与に限定した抗菌剤の投与は動物の飼養規模が大きくなるほど的外れの対応になってしまいますし、このあたりが今までの獣医教育ではなされてこなかった部分だと思います。林さんが言われたように、今の家畜の飼育は本当に最新科学の集大成の中で、HACCPの精神に則り、リスクの洗い出しと予防対策を取っていく必要性がありますし、現在伸びている生産者の方はこの辺をしっかり捉えて取り組まれていると思います。しかし、それでも病気は起こりますし、それに対する抗生物質の使用は必要ではないのでしょうか?
様々な対策を取る中で最低限必要な部分は使う、このあたりが今後求められてくる部分であり、獣医師もその中に積極的に入っていければと望みます。
一方、今回人体薬の方面からの数人の先生方のご意見も頂きましたが、ちょっと感じたのは、人体医療では獣医以上に分野が専門化しており、対極的に物事を考えるには別の専攻の先生方の意見も必要かなと言った部分です。無論微生物関連の先生方の意見は貴重なのですが、一方で、疫学的な見地から、どんな耐性菌がどういった分野でどの程度問題なのかといった部分を消費者に伝えることができなかったのは残念でした。消費者の純粋な雑駁な質問は、耐性菌て何? 交通事故とどっちが怖いのみたいなかなりGeneralなものなのですが、耐性菌による死亡が例え2万人あってもそれは、交通事故のように健常者が突然遭遇するようなものでない、入院し高度医療を受ける中で易感染化した方が不幸にも選択された弱毒の耐性菌により亡くなっているんだといった部分が、一般消費者に伝わっていないような気がします。院内感染症学会でこの分野に取り組んでいられるような先生方はこういった部分のエキスパートだと思われますし、この辺の先生方も迎えることができたらさらに良い論議ができるのかもしれません。


耐性菌問題とは、いささか距離の離れた獣医師の裁量権の問題とか、ブラックマーケットの問題とかに時間を取られて、また参加者を戸惑わせるような発言もあって、討論に慣れていない国民であることを再認識しました。「予防の原則」にも、随分と誤解があると感じました。EUが公布したオリジナルを勉強する必要があり、それがCodexやWTOで受け入れられない理由も理解して貰う必要があると考えます。


色々な立場の方達の意見を聞き自分の知らなかったことにも気づきながら現実味のある、改善の道を探る。リスクコミュニケーションが行われることは非常にすばらしいことだと思っています。今までになかったことです。


先日は最後の討論は聞けませんでしたが、参加していました。感じたことを脈絡なく述べますと、先生の冒頭の映像による説明は分かりやすく良かったと思います。

  1. BSEの時もそうでしたが、日本は先進国といわれながら国民の健康に重要なことが常に遅れてしまう。なぜでしょう、行政や学者のやる気なし・怠慢を感じます。

  2. 農水省・厚労省は法律制度の説明を縷々していましたが、いつもつくりぱっなしで、満足している。飼料メーカーや生産者が本当に守っているかどうか。あまり信じられません。守られなくては何の意味もないのです。どのようにフォローし結果がどうだったのかが重要だと思います。農薬の使用基準、輸入食品などもそうです。チエック体制が不十分でいろいろ問題がおきています。

  3. 種豚の輸入の話は初耳でした。以前種畜牧場の見学をしたことがありますが、その実態はどうなのか、知りたいものだと思います。そういえば、鶏卵とサルモネラ菌のとき、輸入のひよこ原因説があったことを思い出しました。それらの輸入時の検査体制はいったいどうなっているのでしよう。自給率の低さがここでも問題です。

  4. 確かのリスク評価と管理は分けて考える必要はありますが、話がごちゃごちゃしていましたね。もちろん、リスク評価は大切ですが、その結果を踏まえてのリスク管理がどうなるかがより重要なのだと思います。ここに、国民の意見が十分反映されることが必要です。その場合予防原則が前提ですが、安全はすべてに優先することが根本です。「経済性と安全性のバランス」の問題ではないと思います。

  5. 感情的発言などもあったようですが、これまで、行政や学者企業が常に消費者を欺いていた。長い歴史もありなかなか信じることができない。そのようなことへの反映でもあるのでないではないでしょうか。

いい方向へ向かうには未だ時間がかかりそうに思います。


先ほどの意見、言葉が足りませんでした。安全はすべてに優先するのは、食品だからです。自動車は利便性との関連もあり、しかし、安全性への努力はされています。塩はどうしても身体へ必要であり、欠くことはできず、より少なくの努力を促しています。タバコも本人の問題もありますが、他の人への影響が重視される措置はとられています。選択できる可能性のあるものと、できない物を同列に考えることはできません。食品の品質・安心はともかく、安全性は選択できません。従ってすべてに優先すると思います。


私も耐性菌問題の重要性、それぞれの努力、リスク評価の重要性について皆さんが認識されたのではないかと思います。ただ残念なのは、一部の人の意見が何回も出されて、当日に沢山来られた色々な立場の方の意見が殆ど聞けなかったことです。リスクコミニュケーションですので、いろいろの立場の意見を聞いてみたかったというのが本音です。

今後ですが、使用することのベネフィットや、現状でのリスク管理はどういうものが良いか等について率直に話し合ってみたいと思われます。また、予防の原則についても議論する必要があるようです。私はこの原則はEUでも言われているようにリスク管理の一つの手法であり、リスク評価が前提となることをもっと知らしめるべきと考えています。したがって、危険性の可能性でこの原則を適用して禁止することはできないのです。また、リスク評価を実施するにも、国内の成績が極めて不十分であることも知って欲しかったように思います。当日はマスコミの方も多く来られており、この問題をどのように報道するか期待もしています。


この耐性菌問題は私個人としても興味のある問題で、獣医医療にとっても社会に対する責任上、一刻も放置できない問題と思います今回のシンポも出席できる時間的余裕が無く参加できませんでしたことを非常に残念に思っています。そこで提案ですが、SCSを利用して全国的に検討して行くことは不可能でしょうか? SCSは国立大および関連の機関に配置されており、今年度であれば各大学関では経費の負担もなく、この問題であれば多くの参加校も期待できると思います。 是非この衛星通信回線を利用したシンポジュウムをご検討いただければ幸いに存じます。