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Q:車にひかれた動物の飛沫がかかってしまった

道路上の車に轢かれたサル?らしきものの横を通り過ぎた時に,トラックがまたそれを轢いて,その飛沫(血や肉?)が自分の顔や服に飛び散ってしまいました。1時間後に洗い流しはしましたが,大丈夫でしょうか?

お答え

 「サル?らしきもの」がサルであったと仮定してお話しします。サルが関わる人獣共通感染症には細菌性赤痢,Bウイルス病,結核などが挙げられます。
 まず,細菌性赤痢の本来の保菌者(病原巣)は,野生のサルではなく人です。東南アジア等の流行地では,サルは捕獲後に人から細菌性赤痢に感染すると考えられています。現在,わが国のサルからの赤痢菌検出事例は,実験用に輸入したカニクイザルやアカゲザルがそのほとんどです。
 ニホンザルからは,Bウイルス病に対する抗体が見つかっていますが,人が本症に感染した事例はわが国では報告されていません。米国では,研究用のアカゲザルに噛まれたり,サルの排泄物が目に入ったりして感染した事例が報告されています。感染サルの唾液や体液中のBウイルスが傷口や粘膜から侵入しない限り,人が感染する可能性は極めて低いと思われます。
 結核は国内外を問わず,古くから知られている感染症です。厚生労働省の平成27年結核登録者情報調査年報によると,わが国では約18,000人の結核患者が新たに報告されています。一方,サルの結核事例は,2007年~2015年の間にわずか9例で,人から感染した事例がほとんどです。したがって,結核に関しては,サルよりもむしろ結核患者との接触に気を付けるべきです。
 帰宅後に体液などを洗浄されているのであれば,過剰に心配されることもないと思いますが,もしご心配であれば,かかりつけの医師にご相談ください。

日本大学 獣医公衆衛生学研究室
佐藤 真伍
(2017/9/8 掲載)

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