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Q:開業資金はどの程度かかるのでしょうか?

私は獣医師免許保持者ですが,臨床経験がありません.現在は企業に勤務していますが,獣医師としての資格を十分に発揮する場がないため,遠くない将来,臨床の道へ転職したいと考えています.
しかし,以前他のから方の質問にもありましたが,臨床系では現在は労働条件や待遇面が自治体や企業と比較してあまり良くないと感じています.
臨床の道に進むのであればいずれは開業したいと考えていますが(もちろん技術を習得してからですが),開業資金はどの程度かかるのか教えていただけないでしょうか.
揃える設備等によってかなり変わってくると思いますが,最初は診療かばん一つで,往診中心で始めるとすると,大体どの程度の資金が必要か教えていただければ幸いです.
「動物のお医者さん」になる事は,小さい頃からの夢でした.苦労して取得した資格なので,最大限に活かしたいとも思いますが,待遇や開業に関する負担を考えると,どうしても躊躇してしまいます.
このまま資格を発揮することなく安定の道を選ぶか,波乱を覚悟で好きな道に進むか…最後の結論を下すのは自分自身ですが,アドバイスをいただけたら嬉しいです.
お忙しいとは存じますが,宜しくお願いします

お答え

長く続く不況のため、さらには製薬メーカーなどの安全性試験の外注に伴う施設の閉鎖または縮小など、獣医師としての現場を離れるのが嫌なために開業される基礎分野の先生方は決して少なくありません。
開業を目指す先生方は、資金面などの不安はお持ちですが学術、技術的な事は安易に考えていらっしゃるようにお見受けします。
基礎の先生方には「臨床は獣医学的に低レベルであり、この程度で有れば少し経験を積めば何とかなるであろう」との考え方が根底にあるように感じております。
その根拠として、その先生方の専門分野、またはその周囲の学識と云う自分の定規で、一般小動物臨床家を計って、そのように判断されているように感じております。
よく考えていただきたいのは、小動物臨床とは人間の総合病院を一人ですることだと云うことです。頭は脳神経科・眼科・耳鼻咽喉科・歯科からお尻の肛門科まで、更に小児科・産婦人科・形成外科に美容整形にいたるまで全てに対応できなければなりません。更に、人間の病院は当たり前の話ですが、大人子供、男女の差はあっても“人間”しか来ません。
動物病院には、犬や猫、または、今流行のフェレットやうさぎなどの哺乳類は当たり前で、鳥類・爬虫類さらには魚類まで来院します。…種ではなく、…類なのです。
小動物臨床家は、それぞれの動物の特性、それぞれの疾患についての最低限の知識・技術が無くてはなりません。しかも、常に具体的な対応を要求されます。
守備範囲が非常に広いのが小動物臨床の特徴なのです。
更に、最近は、一般の人の動物医療に対する知識も豊富になり(インターネットなど) “高度医療”の要求にも対応できなければなりません。

ご質問の趣旨から遠いところから入ってしまいましたが、開業を数多く手掛けている業者に、見積書を作成してもらいましたので掲載します。
金額の0の項目は額に差があり記載できないところです。店舗の保証金や賃料は平均値で地域・立地条件によって異なります。(見積書1
設備・備品などは最低限の見積もりです。(見積書2
ある程度の検査、手術等の診療に対応するためには、この3〜4倍の投資が必要となります。専門医として高度な診療をするため、その単科だけのために億単位の設備投資をしている動物病院もあるのですから。
参考になれば幸いです。
最後に、大変失礼なことをもう一つ云わせていただきます。“待遇や労働条件”を気にされるのであればサラリーマンを続けるべきです。

清水 誠(東京都開業)
資料提供;ムナテックス株式会社

連絡先 日本獣医学会事務局
officeco@jsvs.or.jp | Fax: 03-5803-7762
〒113-0033 東京都文京区本郷6-26-12 東京RSビル7階

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