The Japanese Society of Veterinary Science
 
Q&A > 獣医大学・獣医師免許について

Q: 海外の大学で獣医学を勉強したい

初めて質問させていただきます。
私は,今18才の浪人中で来年の4月から一年間語学学校に通った後,渡航しようと考えています。渡航先はアメリカかイギリスを考えています。アメリカの教育システムもイギリスの教育システムも調べました。

そこで質問なのですが,アメリカの場合,専門職大学院をfull-timeで4年間(主に博士課程)通うらしいのですが,4年間という短期間で博士号を取得出来るのでしょうか?私は,博士号を取得して日本の大学で動物のために臨床や研究をする教員になりたいです。専門医は考えていません。Cornell UniversityかPennsylvania Universityのどちらかに,難関であることはわかっていますが入りたいです。
大学は州立大学からこれらの大学に編入しようと考えています。

次に経済的な事なのですが,アメリカの大学院にはTA或いはRA制度があり,学費免除の他,生活費まで出るらしいのですが,噂によると,専門職大学院(獣医学)に在学する博士課程の学生はその制度が使えないとのことですが,事実でしょうか?
(大学の学費などは,親と国からの奨学金で行かさせて頂きますが,大学院はなるべく親に負担を負わせたくないためその制度を利用出来るのであればしたいです)

次に,アメリカとイギリスならどちらが獣医学が進んでいますでしょうか? (イギリスであれば,Cambridge University,Edinburgh University,Glasgow Universityのいずれかに入りたいです)
ドイツも犬猫の殺処分制度を世界で最初に廃止した国で,そういう社会の構造も学びたいため,興味があります。
私は,今,アメリカで獣医学を学ぶかイギリスで獣医学を学ぶか,真剣に迷っています。
アメリカの獣医学校の特徴,イギリスの獣医学校の特徴等を教えて頂きたいです。
お忙しい中,長文で乱雑な文をお読み下さって有り難うございます。

 

お答え

米国の獣医学教育をお話しします。
米国の獣医師は社会的地位が高く人気もあり,また大学の数も限られるので,医学部入学と同様に最難関の分野と考えてください。米国で獣医師になるには,まず理科系の4年制大学を卒業し,そのあと獣医学部(Veterinary School)に入学して4年間勉強します。従って,8年かけて獣医学士(DVM)を取得します。4年制大学の代わりにPre vet school(2年間)もあります。博士号(Ph. D)を取得するのであるならば,学部を卒業した後,4年間大学院(Graduate School)に通いますので,獣医師として博士を取るまで,通常では最低12年かかります。専門医になるにはDVMを取得後,3年から4年以上獣医学部でトレーニングを受け,試験に合格すれば専門医を取得できますが,こちらも通常,10年以上はかかると考えてください。米国の学生においても獣医学部への入学は大変難しく,4年制大学を好成績で卒業しなければ入学できません。
獣医学士は必要ないけれど博士号を取りたい場合は,4年制大学を卒業した後,獣医学系の大学院に入ることができます。これですと8年かかりますが,博士号を取得しても獣医師として働くことはできません。

獣医学部の授業料は高額で,多くの米国学生は奨学金を受けています。しかしながら米国は奨学金制度が発達しているので,得られるチャンスは高いです。大学院の学生は授業料を免除される場合が多く,Teaching Assistant (TA) やResearch Assistant (RA) などの制度もありますので,TAやRA等の大学教育や研究の補助の仕事をすることで,生活費や学費の一助にすることもできます。

獣医学教育は米国および英国のどちらも発達しております。日本の獣医学教育も米英に劣らず発達しておりますが,専門医の教育制度は発展途上です。獣医学教育の科目は日英米でほぼ同様なカリキュラム内容と思いますが,大学の特徴は個々の大学により相違があるので,各大学のホームページをみて参照にするといいでしょう。
ご参考になれば幸甚です。

日本大学生物資源科学部
渋谷 久
(2013.11.12)

日本獣医学会事務局
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