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Q: 実習や、臨床の現場で吸入麻酔を扱う際に、人が暴露する可能性はありますか?

 大学の実習や、臨床の現場で吸入麻酔を扱う際に、人が暴露する可能性はありますか?
 安全面での配慮は、それぞれの場で異なるため、一概に言う事は難しいとは思いますが、一般的に吸入麻酔薬を扱う手順の中で、暴露の危険性がどの位あるのか、可能な範囲で構いませんので、教えて頂ければ幸いです。

2013/2/28

お答え

 吸入麻酔では、余剰ガス(動物に吸入させた後に余った吸入麻酔薬や酸素、動物が吐き出してきた二酸化炭素)が発生しますが、この余剰ガスを手術室内に漏出させず吸入麻酔器から外部へ排気する装置(余剰ガス吸引装置)があります。この余剰ガス吸引装置が設置されている手術室や実習室では、獣医師や動物看護師などのスタッフ(大学での実習の場合は学生)への吸入麻酔薬の暴露は最小限になります。
しかしながら、この装置が設置されていても、次にあげるタイミングでは、吸入麻酔薬をスタッフや学生が吸引する可能性があります。
1)吸入麻酔終了後に動物を麻酔器から外し、室内の空気を呼吸させている時には、動物の吐き出す息の中に含まれている吸入麻酔薬(濃度はかなり低いですが)に暴露される可能性があります。
2)吸入麻酔器の事前検査の際に、吸入麻酔器に残っていた微量の吸入麻酔薬に暴露される可能性があります。
3)吸入麻酔中に偶発的に気管チューブと吸入麻酔器の呼吸回路(チューブ)が外れた時には、吸入麻酔薬に暴露される可能性があります。
4)吸入麻酔器の気化器(吸入麻酔薬を酸素に混ぜて供給するための器具)に吸入麻酔薬を補充する際に、誤って吸入麻酔薬をこぼした場合。
 このような状況を含めて、吸入麻酔薬の暴露を完全に防ぐためには、吸入麻酔薬を除去できるマスク(防毒マスク)を着用することが必要となると思います。個人的な経験ですが、米国に留学していたとき、防毒マスクをつけて麻酔の実習を受けている学生がいました。

酪農学園大学 山下和人

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