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Q:家の近くに野生の猿が出没します

 はじめまして私の家の近くに野生の猿が出没します。ずっと観察していますが、最近毛が抜けてきていて、生え変わりかなと思っていましたが、なんか首筋の辺りの毛だけごそっと抜けているようです。あれはたぶん皮膚病じゃないかと思うのですがどうなんでしょう? 最近は慣れてきて触れてじゃれるまでになってきているのでお薬でもぬってあげたいのですがどうしたら良いものでしょうか?

お答え

 野生のサルが皮膚病に罹っているのではないかと疑われていますが、それについてはきちんと検査を行った上で初めて診断が下せるものと思います。その前に、ここでは野生動物を取り扱う上での注意点について述べさせていただきます。
 まず第1に、野生動物はさまざまな病気を抱えている可能性がありますから、むやみに野生動物に触らない方がいいと思います。われわれもやむを得ず人に慣らす手段を講じることもありますが(治療や栄養をつける時など)、基本的には野生動物を人に慣らすことは良くないことです。人に慣れることによって、先ほど述べたように病気を人に移すことがあるでしょうし、交通事故に遭う確率が高まるでしょうし、また、人から餌をもらえることを憶えてしまうと野生で採餌がうまくできなくなってしまいます。そのようなことを考えると、人に慣らすという行為はかえって動物にとって良くないことを施していることになります。また、野生動物は本来人間とは一線を画して生活をしている動物といえ、人に慣れた時から野生動物の野生たる部分は消えてしまうでしょう。
 しかしながら、そうはいっても、病気にかかっていたり、傷を負っていたりする動物を見つけたら、人道上その動物を助けたくなるのはごく自然な感情だと思います。その優しい心は大事にしてほしいと思いますし、実際そのような観点から傷病野生動物を救護している施設もあります。野外で傷病を患った動物を見つけた場合には、最寄りの都道府県庁(地方では地域振興局などがあります)に連絡を取って、しかるべきルートで野生動物の救護施設に搬送されるのがいいでしょう。その場合にも、衛生上取り扱いには十分気をつけてください。例えば、手袋をするとか、素手で触ってしまった時にはすぐに石けんで洗うなどの措置をとってください。あとは獣医師に任せるのがいいと思います。残念ながら県によっては、そのような救護施設がないところがあるかもしれません。その時には動物園や動物病院(イヌやネコを診てくれる病院)で取り扱ってくれるところもありますので、一度そこの獣医師と相談してみてください。

岐阜大学・坪田敏男

連絡先 日本獣医学会事務局
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