The Japanese Society of Veterinary Science
 
学会案内
学術集会 学会誌 動物の病気 獣医学の教育 Members Area 学会賞 行政文書 賛助会員 Q&A リンク
Q&A > 動物の病気

Q:馬のシャックリについて

自馬が長距離(80キロ)を走ると、横隔膜粗動になります。その時の心拍46、平熱、食欲もあります。シャックリは半日ぐらい続きます。今のところ、心拍、食欲も変わりがないので、収まるのをまっています。

馬のシャックリは命にかかわる重大な事なのでしょうか?

カルシウム、ナトリウムのサプリを使う事も考えていますが、疝痛につながりますか?点滴など施行した方がいいのでしょうか?
競技に出すのは、馬には負担なのでしょうか?
また、人間のように出やすい馬、癖になることはありますか?

(2012/10/16)

お答え

 ウマのシャックリは、Synchronous diaphragmatic flutter(同期性横隔膜粗動)もしくはその音から‘ Thumps(サンプス)’と呼ばれています。激しい運動による脱水や電解質バランスの崩壊が原因となることから、エンデュランス競技馬やサラブレッド競走馬において起こることが知られています。この他、授乳、過食、輸送ストレス、低カルシウム血症およびクロツシハンミョウ(虫)中毒も原因となるといわれています。症状としては、体全体の振るえや発熱を伴うことが多いようです。

 ウマのシャックリ自体が悪いのではなく、その原因が脱水、電解質のバランス異常および感染(発熱を伴う)の場合は、そのまま放置すると命にかかわる場合があります。また、脱水や発熱ストレスは疝痛の原因になります。シャックリをする場合、体温に異常がなく食欲や飲水欲があり、自力で採食(飲水)できる場合は問題なさそうです。

 シャックリの原因に電解質バランスの崩壊がありますので、サプリメントの使用は効果があると思います。しかし、やみくもにサプリメントを使用することは逆効果にもなるため、他の飼料とのバランスを考えることが大切です。正確な診断が行われているという前提で、脱水を早く解消するという意味では点滴は有効な方法となります。

 人間のように出やすい馬、癖になるかについては、科学的な証拠はありませんが、体質という意味ではシャックリが出やすいウマとそうでないウマはいるかもしれません。

 発熱がなく、心拍や食欲に異常がなければ落ち着くまで様子を見ていいと思います。シャックリが出るということは、体の水分や電解質のアンバランスな状態が存在する可能性があるので、その状態で競技に出ることはウマの負担になると思われます。

 また、暑い日や湿気の多い日は代謝異常を起しやすいので、そのような環境で運動や競技をする場合は、水分や電解質補給に一層気をつけることが重要となります。

回答者: 草野寛一(日本中央競馬会)

連絡先 日本獣医学会事務局
officeco@jsvs.or.jp | Fax: 03-5803-7762
〒113-0033 東京都文京区本郷6-26-12 東京RSビル7階

Topページに戻る