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Q:二十四時間の動物病院に興味があります

現在高校三年生です。
今、獣医の中で非常に二十四時間の動物病院に興味があります。そして、夜とかになると救急医療などが必要になると思います。救急医療の大変なものと救急医療をするにあったって必要なことは何かおしえて頂けますか?
また、二十四時間の動物病院をすることにはどのような問題がありますか?
最近増えている伴侶動物を診察するメリットは?
現在、獣医師に求められているものは?
現在の日本の獣医に足りていないものは?(アメリカと比べて)
多くなってしまいましたが宜しくお願いします。

お答え

 二十四時間の動物病院について

  • 動物の緊急医療について必要なこと
      テレビ映画で人の医療での緊急医療の番組があり、あれをご覧になると分かるように、まず、人手です。それもチームワークの取れた訓練された獣医師、動物看護士が必要です。緊急で動物病院に運搬されて来た動物を如何に手際よく、検査あるいは処置を進められるかによって動物の生死が決まります。次に必要なものは、設備です。動物病院の経営から考えてあまり大きな設備投資は出来ないところが多いです。また、最近大きな動物病院も増えていますが、緊急医療の診療科が独立していないので、緊急医療に適した設備が揃っていないことが多いです。

  • 二十四時間の動物病院をするにはどのような問題があるか?
     上にも書きましたが最近は大きな動物病院が増えています。しかし、日本では、獣医師の専門医制が確立されていません。したがって、二十四時間の動物病院を開いた場合、緊急医療だけするわけでもなく、すべての診療を行わないといけません。また、すべての診療を行うわけですから、人手が多く必要になり、経営の問題が出てきます。ですから、現実に二十四時間の動物病院を開業しているところは夜間では少ない人手でやりくりをして、人手が多くなった午前の診療にもっていくようにしています。また、最近、出来ている夜間動物病院は獣医師会やグループで集まり、専任の獣医師やグループ員が交代で夜間の診療を行っています。そこで診察した動物は、今まで診察に行っている動物病院に紹介するよう制度を取っている所が多いです。従いまして、やはり、人手と設備が問題になります。もう一つは、場所です。小規模な動物病院では、駐車場も小さく夜間に車で来る人がドアの開け閉めで、近くの住人から苦情が出たと聞いています。人の夜間緊急病院ではサイレンを鳴らしても苦情を言う人はいません。

  • 最近増えている伴侶動物を診察するメリットは?
     伴侶動物になると相当な医療費がかかっても飼主さんは了解してくれることです。今まででしたら、治療費が高くなることを飼主さんに伝えると、ほどほどの治療で良いと言われ、治療を途中で打ち切らざるを得ないこともありました。反対に、獣医師は飼主さんに対してインフォームドコンセントをやり、飼主さんに納得してもらえるような医療を行う必要があります。したがって、個人の開業では手に負えないことになると高度医療を対応する大学の動物病院に紹介する必要があります。従いまして、伴侶動物になると自分の力が発揮できることがメリットと思われます。

  • 現在の獣医師に求められているものは?
     獣医師とは?問われると、私の考えですが、獣医師は伴侶動物の診療、食肉の安全などで活躍しているように、動物を通しての人の生活を護る職業と考えています。したがって、動物に対する愛情は必要ですが、それ以上に、人の生活・福祉に関わっているとの使命感が必要です。長時間の手術や夜間の緊急医療を行える体力と獣医師は全診療科目を対応する必要があるために知力が必要です。獣医療の進歩も目覚しいものがありますので、日々勉強を行うとの姿勢が必要です。

  • 現在の日本の獣医に足りないもの?(アメリカと比べて)
     残念ながらアメリカと比べると教育の質が違います。アメリカでは獣医学部では100名近くの教員と多くのサポートスタッフに恵まれています。また、教育資材が豊富です。日本の教育の質を高めるために、日本の獣医大学を統合する話がありましたが、その話も最近は進んでいません。また、アメリカでは獣医師の専門医制が確立していますが、日本もそれを目指して色々な試みが行われていますが、まだまだ時間が必要でしょう。最近では、若い獣医師がアメリカで専門医の資格を取り、日本に帰り教育や診療に参加しており、レベルアップが図られています。

<岐阜大学・深田恒夫>

連絡先 日本獣医学会事務局
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