The Japanese Society of Veterinary Science
 
Q&A > 獣医大学・獣医師免許について

Q:将来、養豚獣医師として働きながら研究をしたい。

私は獣医学部を目指す受験生です。
現在、アメリカの農学部へ進学し現地の獣医学科に進学するか、日本の獣医学科に進学するべきか迷っています。
私は将来、養豚獣医師としての仕事をしながら、診療の中で、豚の繁殖障害に関する研究をし、獣医学術的にも獣医臨床的にも貢献したいと思っています。
以前にテレビで欧米諸国では、在職(獣医師)のままで研究を行うことができる機会は極めて少ないと聞いた事があります。
私の場合、日本の獣医学科に進むほうが良いのでしょうか?

お答え

アメリカでは、獣医学部は、医学部(Medical School 4年間)や法科(Law School 3年間)などと同列に扱われています。つまり、農学部(畜産学部Animal Scienceが多いのですが)を4年で出た後に入学するものです。4年生の時に獣医学部(特定の大学の試験ではなく、全国の中でのレベル評価になります)への試験を受けることになります。獣医学部での最初の2年は講義を中心に、あとの2年は臨床です(ほぼ臨床のみです)。

アメリカの医学部にはMD/Ph.D.プログラムといって、ほとんどの医学部には6年間でMedical Doctor(MD)とDoctor of Philosophy (Ph.D. 日本でいう医学博士、農学博士、理学博士などに当たります)の両方が取れるプログラムもあります。この場合、医学生はある研究室にほぼ2年間(実質1年半ぐらい)所属し、実験・研究をします。ただ、獣医学部には医学部のように臨床と研究の両方が出来るようなシステムはありません。なぜなら、農学部の後大学院で研究をし、農学博士(この場合Ph.D.)なってから、獣医学部を目指すような学生もいるからです。そのまた逆に、獣医師になってから、農学部(あるいは別の)の大学院に入りなおす学生らもみました。

アメリカでは、獣医学部は医学部と似たような位置づけにされています。つまり、米国で学業成績がトップ1%に入っていないと、獣医学部への入学は困難です。また、学業だけではなく、クラブ活動、ボランティア活動など、様々な活動からも入学させるか、させないかの評価・判断されてしまいます。

あなたが将来「養豚獣医師として働きながら研究を」と考えていますと、アメリカではなかなか困難な人生選択になってしまいます。

日本には、臨床にも研究にも強い獣医学部があります。また、6年の最後に獣医師国家試験を合格し(ただし、日本の獣医師資格は他国、とくに欧米では通用せず、正式な獣医医療は出来ません)、大学院(4年間の博士課程)でじっくりと研究することもできます。獣医学部4年目には研究室に所属し、卒論研究として所属研究室の研究に携わることもできます。大学院で博士課程の研究をする、しないに関わらず日本の獣医学科に進むことをお薦めいたします。

今川和彦(東京大学大学院農学生命科学研究科)

連絡先 日本獣医学会事務局
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