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Q:獣医系大学での動物実験について

 私は今獣医を目指し浪人(2)しています。幼いころから動物がすきで、獣医への道を考えたこともありましたが、実験により動物を犠牲にしなければいけないことを知り、一時はあきらめていました。しかし、そのように犠牲になる動物たちにもできるかぎりの愛情をそそぎ、その命を無駄にしないことを心に決めて浪人して獣医を目指すことにしました。
 せっかく他の学生よりも時間をもらったのだから、いろいろな本やインターネットで獣医学について調べていました。そこでやはり私が一番気になったのは大学でおこなわれる動物実験についてです。動物実験については賛否両論ありたいへんむずかしい問題であるとおもいます。一方的に動物実験を否定するのも、人間がほかの動物より尊く優っているというのも、何か違うような気がしています。私が獣医を目指そうと決めたとき、実験動物は安楽死させてから、実験に使うのだと勝手に思っていました。しかし調べていくうちに、生きたまま実験に使用すると思われる記述を見つけ、不安になりました。結局殺すのだから同じだ。と言われればおしまいですが、生きたまま実験に使い、強い苦痛を与えてしまうのではないか。と思うと、胸が痛くなります。そこで大学では、どんな種類の動物をどのような方法で実験に使っているのか、ということが気になり調べてみましたが、詳細はわかりませんでした。そこで教えていただきたくメールしました。よろしくおねがいします。
お答え

獣医系大学で行われている動物実験はどのような種類の動物を用いて、どのような実験が行われているのかというご質問ですが、大学で行われている動物実験には授業で行う動物実験と、研究で行う動物実験とがあります。質問者の方はこれから獣医系大学への進学を考えておられるということですので、主に授業で行う動物実験について回答させていただきます。

まず、この一つ前の質問に対する回答にもありますように、教育目的のためにやみくもに動物実験を行っている訳ではなく、各授業の中でどうしても生身の動物を用いなければならないことに限って動物を用いています。解剖や簡単な外科手術の実習には動物が生きていることは必ずしも必要ではないため、動物を安楽死させた後行っています。
しかし、生体反応を見る実習では動物は生きたまま使用されております。しかし、動物は深麻酔されており、苦痛を全く感じない状態で実験されています。実習の内容によっては麻酔下で動物に何らかの処置を行い、回復を待ってデータを取るというような実習もありますが、その際は、動物が確実に回復するよう獣医師が細心の注意を払って看護しております。原則は実験動物であっても附属の動物病院に来院する動物と全く区別はしないということです。
従いまして、 どうせ殺すのだからなどということは決してありません。使用される動物は獣医学の修得のため必要な動物全てです。解剖学や臨床系の実習には、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ウマなどが使われますが、生体反応を見る実験にはマウスやラットなどのげっ歯類が中心となります。

これらの実習の計画書は全て動物実験委員会で厳正に審査され、動物に苦痛が与えられていると判断される実験は許可されません。すべての動物実験が動物福祉に配慮されて行われております。

安居院高志(あぐいたかし)
北海道大学大学院獣医学研究科
動物疾病制御学講座実験動物学教室 教授
日本実験動物医学会認定実験動物医学専門医

連絡先 日本獣医学会事務局
officeco@jsvs.or.jp | Fax: 03-5803-7762
〒113-0033 東京都文京区本郷6-26-12 東京RSビル7階

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