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Q:「獣医学学位」の欧文表記の正確な略語をお教えください

以前より疑問に思っていた点に着いて急遽正確な回答が必要となったため質問させて頂きます。
私は2001年春に獣医師国家試験に合格致しました獣医師です。「獣医学学位」の欧文表記の正確な略語をお教えください。
私の卒業した大学(酪農学園大学)の欧文卒業証明書には「Degree of Bachelor of Science in Veterinary Medicine」と表記されていますが、「BSVM」もしくは「BSVetMed」などとなるのでしょうか?
米国の「DVM: Doctor of Veterinary Medicine」、英国の「BVSc: Bachelor of Veterinary Sciences」、他の「BVetMed: Bachelor of Veterinary Medicine」、「BVM&S: Bachelor of Veterinary Medicine and Surgery」、などのいずれも当てはまらないと思われます。一般的に論文上ではなぜか皆様「DVM」を使用されており、私もしばらく前までは何も疑問に感じていなかったためDVMで論文を掲載しております。しかし、やはりこれは大きな間違いではないかと思われ、現在ある海外にて職業に応募をするべく準備中なのですが、正確な回答を求めております。
お忙しい所大変申し訳ありませんが、早急にご回答願えますでしょうか?
また、私のような身分の者がこのような発言をするべきではないかともおもわれますが、年々海外で活躍される獣医師が増加し、また多くの先生方が欧文での論文を投稿されていることを考えても学位の正確な表記法の統一は必須なことではないかと思われます。一度このことに関しての全国的(世界的)な改訂をご検討されてはいかがでしょうか?
今回ご回答いただけた際には、私も参加している海外で活躍をされている、または希望している獣医師および獣医学生のためのメーリングリストにその回答を記載させて頂きたいと思っております。このML上でも過去に何度もこの点に着いて疑問の声があがり、議論がなされていました。
生意気な意見などしてしまい申し訳ありませんが、ぜひ早急なご回答、また検討をよろしくお願い申し上げます。

お答え

ご質問の件ですが、必ずしも各国の状況を把握している訳ではなく、正確とは言えないかもしれません。少なくとも、ご質問の中にいくつか勘違いがありそうですので、その点を踏まえて回答します。
まず、各国の獣医師免許の与え方は国によって大きく異なります。日本のように国家試験を課している国もありますし、獣医大学を卒業することによって与えている国もあります。もちろんその場合、最終試験も含めて厳しい試験制度があります。また、アメリカのように獣医師会がnational licenseの付与の権限を委託されている国もあります。さらにアメリカでは、開業獣医師になる場合、州の獣医師会による免許(state license)の取得も必要です。

Doctor of Veterinary Medicine (DVM)は主としてアメリカで使用されている獣医師の称号であり(?)(大学卒業時に、学位記にこのように書いてあるのかどうかわかりません。 Ohio ではいかがでしょうか? Cornell では、卒業式に、獣医学部の卒業生をDoctor of Veterinary Medicine と呼んでおりましたので、獣医師の資格と卒業時の学位を同じ名称にしているのかもしれません。この点は申し訳ありませんが不明です。)、日本でもほとんどの獣医師が英語表記上用いていると思います。あなたが書いておられる「Degree of Bachelor of Science in VeterinaryMedicine」は、大学の学士を意味しており、日本では少なくとも「獣医師」であることを示していません(国家試験に合格したことを意味しません)。また、他の日本の獣医系大学の獣医学科卒業生の英語表記は、大学によってそれぞれ異なっているものと思います。それを統一した方が良い、という意見はわかりますが、今のところ、各大学にまかされています。

一方、おそらくイギリスでは、大学卒業によって獣医師の資格が与えられるため、「BVSc: Bachelor of Veterinary Sciences」という表記を用いているものと思います。その他、フランスでも異なる表記を用いていたように記憶しております。これらの違いはひとえに、各国の獣医師資格をどのように与えるか、にかかっているものと思います。

それでは日本人はどの表記を用いれば良いかですが、もし、出身大学の学士、という身分を示したい場合、自分の学位記の英文表記を書くべきだと思います (大学名を含めて)。もし、獣医師、という身分を示したい場合、決まりはありませんが、多くの例に習い、また世界的に獣医師であることが明確なDVMを 用いるのがスムーズである、ということだと思います。

それでは、その表記を統一する必要があるのでしょうか?少なくとも、現在の情勢では、各国とも自国のライセンスを重要視しており、各国それぞれの表記を大事にしております。日本でも正式には日本語で「獣医師」です。英語表記は便利のために用いるものであって、正規の名前はその国の言葉で表記します。外国人が日本の免許試験を受けることは可能ですが、もちろん日本語での試験です。それは獣医師は日本で獣医師としての仕事ができなければならないからで す。アメリカも外国人に対し、国家試験(national license)を受験させていますが、必ず英語試験を課し、それに合格しなければ受験できません。

ということで、現状では統一しなければならない理由があまりない、といったところです。しかし、ヨーロッパ統合時に、各国のライセンスを統一する、とい うことが検討された、と聞いております。これは通貨を統一することと同じ視点で、大ヨーロッパ、という形で共通化した規則を作る、ということに関わって きます。少なくとも、獣医師の専門医はヨーロッパ単位で制度を作りました。もし、これがさらにグローバルになり、世界中で獣医師資格を共通化する、とい う話しが将来出た場合、称号の共通化が話題になると思います。

参考になれば幸いです。

日本獣医学会、一理事より

回答に対するご質問

御丁寧に御返答いただきありがとうございます。
ただ、私がご質問させて頂いたのは、「獣医師」ではなく「獣医学学位」の表記法です。
ご存知の通り、英語論文や英文での対外的やり取りをする場合は「獣医師」という身分は必要なく、「取得学位」の表記が必要であるためこのような質問をさせて頂きました。

米国におけるDVMはUndergraduateで4年間勉強して「Bachelor: 学士」を取得後、Professional schoolで4年間さらに勉強して取得する「Doctor: 博士」であり、日本の6年間で取得するMaster相当のBachelorとは全く異なる学位であると思われます。
私の周囲の米国人、ヨーロッパ人等に訪ねてみても、DVMは「Doctor: 博士」であり、日本やヨーロッパにおける獣医学学位とは違うものという考え方をしております。
一般的(世界的)に、DVMの表記は米国の獣医科大学もしくは同等と認定されたカナダの獣医科大学にて取得した学位と考えられていると思われます。このような状況下において、日本の獣医科大学を卒業したBachelorである私達がDVMという表記を使用する事は正しい事なのでしょうか?

参考までに確認したところ、米国の獣医科大学を卒業するとNational Boardに合格したしないに関わらず全員がDVMを取得し、これは現実的な「獣医師」を意味しません。DVM取得者もしくは取得見込みで、各州でのNational Boardに合格した者が獣医療を行う事のできる「Veterinarian」となります。
日本の獣医科大学を卒業した獣医学学士取得者がDVMと名乗ることはやはり間違いではないでしょうか?
確かに、もし私が論文上において例えばBSVMという表記をしたところで、これが何の学位を意味しているのかはほとんどの方に理解して頂けないと思 われますが、 もし獣医学会などの大きな単位での統一化がなされれば、多くの先生方が海外の獣医学雑誌やJVMSなどにおいて活躍されている今日においては暫くの 内に浸透し理解してもらえるようになるのではないでしょうか?
宜しければ再度ご意見をお聞かせ願えますでしょうか?繰り返しの失礼を心よりお詫び申し上げます。
お答え

学位に関しては前回も申し上げたように、正式には日本語の獣医学士、あるいは農学士(6年制になる前には私も含めてほとんどこの学士であったと思いま す。)だと思います。問題は、それの英語表記ですが、今のところ各大学が便宜上もっとも適当であろうと思うところで、様々な表現を用いていることです。 これを世界的に統一することは困難であり、またアジアの中でさえ、国によって異なっています。
教育制度は各国によって異なります。これは国家の根幹であり、他の国がそれにクレームを付けることは非常に困難だと思います。アメリカは確かに4年制の カレッジを終わってから、専門の教育を4年間行っています。しかし、それが全て最良である、と断言できる訳ではありません。また、アメリカがこれを世界 中に押し付けることはしていません。前回申し上げたように、ヨーロッパに統一の動きがあるようですが、これも今後の状況を見ないとどうなるかはわからな いところです。

さて、論文を投稿するとき、あるいは海外の人と英語でやり取りするときに、私は学位を書くように要求されたことはありません(履歴書には書きますが、学 位の後に、DVM取得と書きます)。おそらく多くの国から多くの学士の称号が出ても、混乱するだけではないでしょうか?それに比べると、PhD はまだ共通しているかもしれませんね。しかし、これも国、大学によってレベルはバラバラです。
いずれにせよ、これらの称号が国によって異なる現状から、多くの雑誌は、それぞれの著者の意向に従って表記している、というところかと思います。あなた も、自分の大学の英文表記を用いれば、それで受け入れられると思います。しかし、それが何を意味するかは(略号では)、多くの国の人に取って理解できな いかもしれません。

少なくとも、それを統一する意味がどこまであるのか、日本人は、共通する称号を出す必要があるのか、という議論になると思いますが、私自身は、従来の獣医師、DVMという表記で混乱が生じると思えませんし、少なくとも、獣医師に関する国際的な決まりができるまでは、DVMを用いるつもりです。

答えになっていないかもしれませんが、このようなやり取りで議論するにはテーマが大きすぎるように思います。あしからずご了承ください。

日本獣医学会、一理事より

連絡先 日本獣医学会事務局
officeco@jsvs.or.jp | Fax: 03-5803-7762
〒113-0033 東京都文京区本郷6-26-12 東京RSビル7階

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