The Japanese Society of Veterinary Science
 
Q&A > 獣医師の仕事について
Q:実験動物における獣医師の役割は?

初めまして。実験動物技術師の仕事をしています。近年、実験動物業界でも、グローバル化が進み、国内の企業及び国立の研究所でも海外のAAALACやNIHと言った動物福祉や動物愛護を基本に動物実験が行われています。そこで質問なのですが、実験動物における獣医師の役割というのは、どのような役割なのでしょうか。実験動物のヘルスケアに獣医師が必要という声もあります。私は仕事柄、医師や獣医師さんと一緒に仕事をする機会が多々あります。"動物実験=人に還元"という世界の中で必要な方々だと思っています。しかし、私自身実験動物のヘルスケアにおいては真剣に考えた事も無く、"実験に適用でない動物=適正な処分"というのが業界の風潮でした。実験動物における獣医師の立場や役割について、獣医師の方々はどのようにお考えなのでしょうか。特に実験動物の愛護やヘルスケアについてお聞かせ願えないでしょうか。宜しくお願いいたします。

お答え

実験動物に限らず、動物全般に関して、獣医師は愛護(福祉)、健康管理、疾病予防や治療の実務にあたり、その責務を負うものと考えます。実験動物は医薬品や農薬の研究開発の場ではなくてはならない評価対象ですから、前述の実務の確実な遂行のために、現場獣医師には実験動物に関する専門知識と豊富な経験が求められています。
また、生育状態、健康状態等の理由により、不幸にして実験に適用できなかった動物の有効利用に智恵をしぼるのも獣医師の重要な仕事ではないでしょうか。この点に関しては、多くの実験動物施設で「実験動物倫理規程」あるいはこれに類する規約を設け、現場獣医師が中心となって実験動物という貴重な資源を活用することを心掛けていると思います。
さらに、実験動物が適正に評価系に用いられるための飼育施設や管理システムを構築していくことも、現場責任者としての獣医師には求められる要件でしょう。ご質問の冒頭にありますAAALAC(米国実験動物管理認定協会)の認定を得られるような実験動物の管理システムを構築することが重要であると考えます。今のところ、官民を問わず、AAALAC認定を受けた管理システムを備える実験動物施設は国内にはありません。
実験動物を取り扱う獣医師には、早急に対応しなくてはならない仕事が山積していると認識しなくてはならないでしょう。

財団法人 食品農医薬品安全性評価センター
第一試験室長 石川 勉
(2005. 3. 11 掲載)

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